
住宅購入後すぐ売却すると税金が高くなる? 不動産を買う前に知っておきたい「5年」の考え方
住宅を購入するとき、多くの方が考えるのは、
「いくらで購入できるのか」
「住宅ローンはいくらまで借りられるのか」
「毎月の返済はいくらになるのか」
といった購入時のお金ではないでしょうか。
もちろん、住宅購入では非常に重要なことです。
しかし、もう一つ知っておきたいのが、将来その不動産を売却するときのことです。
転勤、家族構成の変化、住み替え、親との同居などによって、購入した住宅を数年後に売却することもあります。
そのとき、不動産の所有期間によって、売却益に対する税率が大きく異なる場合があります。
首都圏ではマンション価格の高騰を背景に、投機的な短期取引を抑制するための税制措置について検討する動きも報じられています。
今後の制度がどのようになるかは現段階では分かりませんが、実は現在の税制にも、不動産の所有期間に関係する「5年」という重要な基準があります。
今回は、これから土地・戸建・マンションを購入する方に向けて、**「買った後、もし売却することになったらどうなるのか」**という視点から、不動産購入と所有期間について考えてみます。
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住宅購入は「ずっと住み続ける」ことだけを前提にしない
マイホームを購入するときには、
「この家に長く住みたい」
と考える方が多いでしょう。
しかし、実際の生活では将来のことをすべて予測できるわけではありません。
例えば、
・勤務先の変更や転勤
・家族が増えて住宅が手狭になる
・子どもの独立
・親との同居
・離婚や結婚など家族構成の変化
・戸建からマンションへの住み替え
・マンションから戸建への住み替え
などによって、購入した住宅を予定より早く売却することがあります。
そのため住宅選びでは、
「この家に住みたいか」だけではなく、「将来売却することになった場合はどうか」
という視点も持っておくとよいでしょう。
これは、数年後の値上がりを予想して住宅を選ぶという意味ではありません。
長期間所有する住宅だからこそ、生活環境の変化に対応できる物件かどうかも考えておくということです。
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不動産を売却して利益が出れば「譲渡所得」が関係します
購入した住宅を将来売却した場合、売却価格そのものに所得税がかかるわけではありません。
基本的には、
売却による収入金額から、取得費や譲渡費用、適用できる特別控除などを差し引いて譲渡所得を計算します。
例えば、4,000万円で購入したマンションを数年後に4,500万円で売却したからといって、4,500万円全額が課税対象になるわけではありません。
購入時の取得費や売却に必要となった一定の費用などを考慮して計算します。
また、自分が住んでいたマイホームを売却する場合には、一定の要件を満たせば最高3,000万円の特別控除を利用できる場合もあります。
つまり住宅購入時には、
「買った価格と売った価格の差だけで税金が決まるわけではない」
ということを知っておくとよいでしょう。
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将来売る可能性があるなら知っておきたい「5年」
土地や建物を売却したときの譲渡所得は、所有期間によって大きく二つに分かれます。
「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」です。
現行制度では、売却した年の1月1日時点で、
所有期間が5年を超えている場合は「長期譲渡所得」
5年以下の場合は「短期譲渡所得」
として扱われます。
一般的な税率は、
長期譲渡所得
所得税15%+住民税5%
短期譲渡所得
所得税30%+住民税9%
となっており、このほか所得税には復興特別所得税等が関係します。
同じ金額の譲渡所得が発生しても、所有期間によって税負担が大きく変わる可能性があるのです。
住宅を購入した時点では売却予定がなくても、短期間で住み替えることになった場合には、この違いが関係してくることがあります。
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「購入から5周年を迎えたら長期」ではありません
この「5年」は少し分かりにくいため注意が必要です。
単純に、
「購入してから丸5年経過した」
というだけで長期譲渡所得になるとは限りません。
判定するのは、
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているか
です。
例えば2026年中に売却する場合には、2020年12月31日以前に取得した土地・建物であれば長期譲渡所得となり、2021年1月1日以後に取得したものは短期譲渡所得となります。
そのため、取得した日によっては、実際には5年以上所有している感覚であっても短期譲渡所得となる期間があります。
住宅購入時にこのルールを細かく計算して購入日を決める必要まではありませんが、将来住み替えを検討する際には知っておきたいポイントです。
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数年以内に住み替える可能性がある人ほど「売りやすさ」も考える
すべての住宅購入者が将来の売却を強く意識する必要はありません。
一方で、
「転勤の可能性がある」
「家族が増えれば住み替えるかもしれない」
「将来的には実家へ戻る可能性がある」
といった方は、購入時点からある程度出口を考えておく意味があります。
例えば住宅を売却するときには、
駅からの距離、
周辺の生活利便性、
土地の形状や接道状況、
マンションであれば管理状態、
戸建であれば建物の状態、
周辺にどの程度の住宅需要があるか、
といった条件が売却しやすさに影響します。
購入するときには自分の好みを優先することも大切ですが、将来ほかの人からも選ばれやすい住宅かどうかという見方もあります。
特に短期間で住み替える可能性がある方にとっては、購入価格だけではなく将来の売却可能性も住宅選びの一つの判断材料になります。
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マンション購入では価格上昇だけを前提にしない
首都圏ではマンション価格が高い水準となっており、
「数年後にはさらに値上がりするのではないか」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、不動産価格が将来どのように動くかを確実に予測することはできません。
建築費、金利、住宅需要、人口動態、景気、供給戸数など、多くの要因によって市場は変化します。
また、マンションでは同じ地域であっても、
駅からの距離、
築年数、
管理状態、
修繕積立金、
大規模修繕の状況、
階数や方位、
間取り、
などによって評価が変わります。
現在の価格上昇だけを見て、
「購入して数年後に売れば利益が出るだろう」
と考えるのは慎重になった方がよいでしょう。
自宅として購入するのであれば、まずは自分たちの生活と資金計画に合っているかを優先することが基本です。
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「短期譲渡は税率が高いから買わない」という話でもありません
短期譲渡所得の税率を見ると、
「5年以上住むことが確実でなければ住宅を買わない方がよいのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、そのように単純に考える必要もありません。
将来売却する際には、売却価格、取得費、譲渡費用などによって譲渡所得そのものが変わります。
また、自分が住んでいたマイホームであれば、一定の要件を満たすことで3,000万円特別控除などを利用できる場合があります。
そもそも売却して利益が生じなければ、課税される譲渡所得もありません。
大切なのは、
「5年以内に売ったら必ず多額の税金がかかる」
と考えることではなく、
「短期間で売却することになった場合には、所有期間によって税制上の扱いが変わる可能性がある」
と知っておくことです。
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マイホームには3,000万円特別控除が使える場合も
自分が住んでいた住宅を売却する場合には、一定の要件を満たせば、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
そのため、
「5年以内にマイホームを売却したら、必ず39%前後の税負担になる」
ということではありません。
実際の税額は、
取得価格、
売却価格、
建物の減価償却、
売却費用、
居住状況、
利用できる特例、
などによって異なります。
また、所有期間がさらに長いマイホームについては、一定の要件を満たせば別の軽減税率の特例を利用できる場合もあります。
住宅を売却することになったときには、インターネット上の税率だけを見て判断せず、具体的な条件を確認することが重要です。
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中古住宅を購入すると「前の所有者の期間」も引き継ぐ?
中古戸建や中古マンションを購入するときに、
「前の所有者が20年間持っていた住宅だから、自分も長期所有として扱われるのでは?」
と思われるかもしれません。
通常の売買で中古住宅を購入した場合には、買主自身がその不動産を取得した時点から、自分の所有期間を考えることになります。
前の所有者が長期間所有していたからといって、その所有期間を買主がそのまま引き継ぐわけではありません。
したがって、中古住宅を購入して数年後に売却することになれば、買主自身の取得時期によって長期・短期を判定します。
一方、相続によって取得した不動産については、原則として被相続人の取得時期を引き継ぐという違いがあります。
「購入」と「相続」では所有期間の考え方が異なる点も知っておくとよいでしょう。
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将来の売却に備えて購入時の書類を残しておく
住宅購入時には、多くの契約書や領収書を受け取ります。
購入直後には必要性を感じなくても、こうした書類は将来不動産を売却するときに重要になる場合があります。
特に、
売買契約書、
建築請負契約書、
購入時の仲介手数料に関する資料、
登記関係の書類、
その他取得費の確認に必要となる資料
などは、大切に保管しておきたいところです。
将来売却するときには「いくらで取得したのか」を確認する必要があります。
購入から20年、30年経過した後に売却するケースも珍しくありません。
時間が経ってから、
「購入したときの契約書が見つからない」
となることを避けるためにも、住宅購入時の書類は売買が終わったから不要と考えず、長期間保管しておくことをおすすめします。
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東松山市・比企郡で住宅を購入するときにも「出口」を少し考えてみる
東京のマンション価格高騰に関するニュースは、東松山市・比企郡で住宅を探している方には直接関係がないように感じるかもしれません。
しかし、住宅を購入した後に売却する可能性や、所有期間によって税制上の取扱いが変わることは、地域に関係なく不動産購入者に関係する問題です。
東松山市・比企郡で、
土地を購入して注文住宅を建てる、
新築戸建を購入する、
中古戸建を購入する、
マンションを購入する、
といった場合にも、将来住み替える可能性はあります。
もちろん、
「売ることばかり考えて住宅を買う」
必要はありません。
住宅はまず、自分や家族が快適に暮らせることが大切です。
そのうえで、
「もし10年後に売ることになったらどうだろう」
「転勤などで数年後に売却することになっても対応できそうか」
という視点を少し加えてみることで、住宅選びの判断材料が増えます。
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住宅購入は「購入価格+毎月の返済」だけで考えない
住宅購入には、物件価格以外にもさまざまなお金が関係します。
購入時には登記費用、仲介手数料、住宅ローン関係費用、不動産取得税などがあります。
所有している間には固定資産税、火災保険料、修繕費などが必要です。
そして売却するときには、仲介手数料などの売却費用や、利益が生じた場合の譲渡所得税などが関係する場合があります。
そのため住宅購入を考える際には、
購入するとき
所有している間
将来売却するとき
という三つの段階で考えてみることも大切です。
特に住宅ローンを利用する場合には、数年後に売却したときに住宅ローン残高が売却価格を上回る可能性についても考えておく必要があります。
将来の不動産価格を正確に予測することはできませんが、購入時に無理のない資金計画を立てることはできます。
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まとめ 住宅を買うときに「いつか売るかもしれない」という視点も
住宅を購入するときに、将来の売却税制まで詳しく考える方はそれほど多くないかもしれません。
しかし、不動産では所有期間によって、売却時の譲渡所得に対する税率が大きく異なる場合があります。
現行制度では、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかが、長期譲渡所得と短期譲渡所得を分ける一つの基準です。
だからといって、
「必ず5年以上住める家だけを買う」
必要があるわけではありません。
マイホームには一定の特例がありますし、売却利益が発生するかどうかも分かりません。
重要なのは、住宅購入を、
「買って終わり」ではなく、将来の住み替えや売却まで含めた長期的な住まい選びとして考えること
です。
FFP不動産コンサルティング株式会社では、東松山市・比企郡を中心に埼玉県・東京都で、土地、新築戸建、中古戸建、マンションなどの不動産購入・売買に関するご相談を承っています。
現在の暮らしに合った物件を探すことはもちろん、住宅ローンや将来の住み替えなども考えながら、ご希望に合った住宅探しをお手伝いいたします。
「どのくらいの予算で探せばよいのか」
「土地と戸建ではどちらが自分たちに合っているのか」
「将来売却する可能性も考えて物件を選びたい」
といった住宅探しの初期段階からでもご相談ください。
※本コラムは、不動産購入・売却に関係する税制について一般的な情報をご紹介するものです。長期譲渡所得・短期譲渡所得の判定、取得費、居住用財産の特例などは個々の状況によって異なります。具体的な税額計算や税務判断については、税理士・税務署等へご確認ください。また、今後検討される税制改正については、正式な制度内容が公表された段階で最新情報をご確認ください。
